Year: 2022

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    タバコを吸っているとインプラントができないってホント?

    たばことインプラントの関係について インプラントは歯を失った時の選択肢として、しっかりと噛む事ができて、見た目も自然な事から患者さんの満足度の高い治療です。 インプラント治療をして10年以上使用し続ける事が出来た人が9割以上というデータもあり、適切に使用していれば長く使用する事が出来ます。 ただ、メインテナンスを怠ったり、日頃のケアをしないとお口の中の環境が悪くなり、良い状態で使う事が難しくなってしまいます。 そしてインプラントには悪影響をもたらす要因としてタバコがあげられます。 タバコのインプラントへのリスク リスク① インプラントが骨に定着しない。 タバコの煙にはニコチンが含まれています。 このニコチンが依存してしまう原因にもなっているのですが、ニコチンはお口にも悪影響を与えてしまいます。 ニコチンが血管を収縮させて、血流を悪くしてしまいます。 また、ニコチンの影響で歯ぐきが黒ずんでしまったり、一酸化炭素は骨や組織に十分な酸素を行き渡らせなくしてしまい、インプラントが骨に定着しにくい状態になってしまいます。 リスク② 感染のリスクが高くになってしまう。 白血球は免疫機能に大きな役割を果たしています。 ニコチンによって、その白血球の働きが低下して感染のリスクが高くなります。 インプラントは外科手術なので、無菌の状態で治療していきますが、インプラントを埋入した後も感染しない様にする事が大切です。 免疫機能を低下させてしまうタバコは避けたほうが良いと言えるでしょう。 リスク③ 唾液の分泌量の低下 タバコによって血流が悪くなってしまうと唾液の分泌量も低下してしまいます。 唾液には汚れを流してくれる『自浄作用』があり、唾液が少ない事で、汚れが着きやすい環境になってしまいます。 汚れは細菌の塊なので、歯ぐきに悪影響を与えたり、歯周病になるリスクが高くなってしまいます。 インプラントは虫歯になったりはしませんが、歯ぐきの周りに汚れが着いていると『インプラント周囲炎』になってしまいます。 インプラント周囲炎はひどくなってしまうと、骨が痩せる原因になり、インプラントが支えを失ってしまって、グラグラしたり、脱落してしまう原因になってしまいます。 その様な状態になるのを避ける為に、汚れを除去する事はとても大切ですし、唾液の自浄作用は大切なので、タバコは悪影響を与えてしまうと言えます。 お口に対する影響 頑固な着色汚れ タバコを吸っている方によく見られる特徴として、着色汚れがびっしりと付着している事があります。 そしてその周りには歯石が着いてしまう事が多いです。 これはニコチンやタールが歯や歯石に付着して、更にその表面に汚れが着きやすくなる悪循環を招いてしまいます。 歯石が着きやすい着色汚れは歯磨きではすべて落とす事が出来ないので歯科医院でのクリーニングが必要になります。 歯ぐきの黒ずみ 長年タバコを吸っている人は、歯ぐきが黒ずんでしまう事があります。 メラニンが沈着してしまう事やニコチンによる血流が悪くなる事が原因と言われていますが、見た目を気にする人も少なくありません。 メラニンは日焼けした時に肌が黒くなるときに紫外線から肌を守る為に生成されます。 これと同じ様に、ニコチンやタールといった有害物質から歯ぐきを守る為にメラニンが生成されて歯ぐきが黒ずんでしまうのです。 この黒ずみを改善するのは禁煙をしてあげる事が大切です。 時間はかかりますが、肌の日焼けが落ち着いてくる様に、徐々に健康なピンク色になっていきます。 口臭の原因 舌の表面には細かい突起があるのですが、そこに細菌の塊が着きやすくなります。 タバコを吸う事でこの細菌にヤニが付着してにおいの原因になってしまいます。 また舌には味覚を感じる部分があるので、その働きを鈍らせてしまう原因にもなってしまいます。 禁煙すると食事が美味しく感じるにはこの為です。 タバコの全身に対するリスク 生活習慣病と呼ばれる『脳梗塞』『心臓病』『糖尿病』に様々な悪影響を及ぼします。 まず、血流が悪くなってしまう事から心臓病には負担がかかってきます。 また、脳の血流が滞ってしまう事で脳梗塞も起きやすくなってしまいます。 糖尿病に対しては、タバコを吸う事でインスリンの働きを弱めてしまい、糖尿病になるリスクを増やしてしまいます。

    2022.03.19

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    インプラントをする前に確認するべきポイントとは

    インプラントをする前に知っておきたい6つのこと インプラントという言葉を聞いたことがあるでしょうか。今は様々な病院でインプラント手術が行われるようになり、有名になってきたと思います。そもそもインプラントとは、歯周病や虫歯、事故などで歯を失ってしまった部分に、人工の根を埋め込み、その上に歯を立てるという治療のことです。 自分の歯と同じように噛むことができるなど、メリットがたくさんあるインプラントですが、実は気を付けなければならないことがたくさんあります。 1.インプラントにはメーカーがある! インプラントとひとくちにいっても、実はバッグのブランドと同じように、インプラントにも様々なメーカーブランドがあるのをご存知でしょうか。どこのメーカーのインプラントを使っているのかによって、値段も手術の方法も違ってきます。 病院によって様々なメーカーのインプラントを使用していますので、まず、どこのメーカーのインプラントを使用しているのか、なぜそのメーカーを選んでいるのかを医師に聞いてみると良いでしょう。その説明に納得できてから手術を行った方が、後悔も少ないかと思います。 2.インプラントは歯周病になる! インプラントは人工の歯だから万能だと思っていませんか?実は、インプラントも自分の歯と同じで、メンテナンスや歯磨きを怠ると歯周病になります。しかも、自分の歯ではない分痛みを感じにくく、気づいた時には手遅れになっていたということも少なくありません。 インプラントをする合は、今まで以上に自分の口の中に関心をもつ必要があるのです。 3.インプラントは、手術当日に歯が入らないこともある!? 手術の方法によりますが、「インプラントは手術当日に絶対に歯が入る!」というわけではありません。インプラントには、大きく分けて、手術当日に歯が入るものと、手術のあと何か月か待ってから歯が入るものとの2種類があります。 それぞれにメリットとデメリットがあり、患者さんのあごの骨の質や、その医師の考え方によって手術方法を選択します。手術をしたからすぐに歯が入ると思い込まないようにしましょう。 4.インプラントの手術の前にCTを撮影する場合もある インプラントの手術の前には、あごの骨のCTを撮影して、神経とインプラントの位置や、あごの骨の質などを評価して、安全にインプラントを打つことができるかどうかを分析してから手術を行う場合もあります、CTの料金はかかりますが、安全に手術を行うことができ、失敗する可能性も限りなく少なくなりますので、CT撮影をすすめられた場合は受けた方が良いです。 5.煙草を吸っている人は向いていない! インプラントは先ほどお話ししたように歯周病になります。インプラントの歯周病のことを専門的な言葉で「インプラント周囲炎」と言います。煙草を吸っていると、歯茎の血行を悪くし、また口腔内を乾燥させて細菌が増加することから、インプラント周囲炎のリスクを高める原因となります。 せっかくお金をかけて打ったインプラントを長持ちさせたいのであれば、煙草はやめた方が賢明です。 6.定期的なメンテナンスが必要です これが一番大切なことかもしれません。インプラントは、手術をして終わり、ではないのです。インプラントを長く機能させるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。いくら家でしっかり磨いていても、専門的なクリーニングでなければ除去することのできない汚れがあります。 また、インプラントが緩んでいないか、インプラントの周りの組織が炎症を起こしていないかなどをプロの目で確認し、問題があれば早期発見することでインプラントを守ることができます。インプラントを打つ前に、メンテナンスのプログラムの内容や料金も確認しておくと良いでしょう。

    2022.03.06

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    インプラント治療後の歯磨き粉を選ぶ際の3つのポイント

    インプラント治療後の歯磨き粉を選ぶポイントは、 ①研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉は避ける ②フッ素入りの歯磨き粉は使用してもOK ③迷ったら、担当医または歯科衛生士に確認 の3つです。 研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉は避ける インプラント治療後は、研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉は避けた方がいいと言われています。 舌で触れたときにザラザラするくらいの大きな粒子は、歯ぐきとインプラントの間に入り込み炎症を起こしてしまう可能性があるからです。 またインプラント以外の歯にも、荒い粒子の研磨剤が入った歯磨き粉は、歯の表面が削れしまいかえって汚れが付きやすくなる、歯周病で露出してしまった歯の部分にダメージを与えてしまうといったデメリットがあります。 フッ素入りの歯磨き粉は使用してもOK インプラント治療後でも、「フッ素入りの歯磨き粉は使用してもOK」です。 チタンがフッ素に弱いといわれますが、歯磨き粉に含まれるフッ素濃度(1000~1500ppm程度)でインプラントが腐食することはないためです。 とは言っても高濃度のフッ素では、インプラントが腐食することはあります。 しかし、日本で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度は上限が1,500ppmと決められているため、腐食の心配がないと言えるのです。 むしろフッ素自体は、 ・歯質の強化 ・初期虫歯を修復する ・虫歯菌の動きを抑制する など虫歯予防に優れた効果を発揮します。 迷ったら、担当医または歯科衛生士に確認 インプラント治療後に自分に合った歯磨き粉を選ぶ際に1番簡単な方法は、歯科衛生士にどんな歯磨き粉がいいか聞くことです。 お口の状態に合わせて、 ・虫歯リスクが高い人には、フッ素配合の歯磨き粉 ・歯周病リスクが高い人には、抗炎症成分や殺菌成分が配合された歯磨き粉 などをおすすめしてくれます。 歯科衛生士や担当医は、あなたのお口を守るスペシャリストです。 ぜひ味方につけて、インプラントを含むお口全体の健康を維持していきましょう!

    2022.02.25

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    インプラントをする前に歯周病治療がなぜ必要?

    歯周病とは 歯周病は歯と歯の周りの組織への細菌感染が原因となる炎症病変です。まずは歯肉から感染が始まり(歯肉炎)、それがさらに進行すると歯周組織に炎症が進行します(歯周炎)。徐々に歯を支える顎の骨が溶けていき、歯の支えがなくなるため最終的には歯が抜けてしまう病気です。自覚症状がでにくく、気が付いた時には進行していることが多いため、定期的な検査を受ける必要がある病気なのです。 歯周病は歯周病原細菌の感染により発症するため、多くの歯で進行する恐れがあり、進行によって破壊された顎の骨は治療によっても治りにくい特徴があります。そのため、歯周病の進行を早期に止めることが大切になります。 精密な検査を行い、歯周病が認められる場合には治療が必要になります。治療は主に原因となるプラークや歯石の徹底的な除去、また再度プラークや歯石をつけないように丁寧なセルフケアを行うことが中心となります。治療を行った後、再度精密な検査を行い、歯周組織の病状をチェックし、安定した歯周組織を継続していく必要があります。 歯周病の状態でインプラント治療を行うリスク 感染 インプラントの周囲の歯の周囲に歯周病原細菌が存在していると、2週間以内でインプラント周囲の溝に細菌感染が起きてしまうといわれています。また、インプラント周囲に炎症が生じた症例のインプラント周囲を調査した研究では、歯周病原細菌と同様にグラム陰性菌やスピロヘータが多く存在することも報告されています。 インプラントは自分の歯より細菌感染による炎症の進行が速いことも知られています。インプラントは虫歯にはなることはありませんが、細菌感染による炎症で顎の骨が溶けることでインプラントが抜けてしまうことが考えられます。 インプラントの隣在歯 歯周病が進行した状態では、インプラント治療後に、隣の歯が歯周病で抜けてしまうリスクもあります。 残存歯の動揺や病的移動によりインプラントに対する負担が増加する 歯周病が進行した状態でインプラント治療を行うと、インプラントと隣接する歯がぐらついたり、病的に移動してしまうリスクもあります。そうなるとインプラントと歯の間が広まり、食べ物が詰まりやすくなる、かみ合わせが変化する、インプラント周囲への感染が起こりやすくなる、咬合力の負担が増大するなどといった可能性が高まってしまいます。炎症が起こってしまった上に力学的負担が増大すると、よりインプラント周囲の炎症が進行しやすくなることが考えられるため、インプラント治療の失敗につながる可能性が高まります。 対合歯の抜歯 インプラント治療によって強く咬むことが可能になります。しかし、対となる歯の歯周病が進行していると、その歯の負担が増大するため、歯周病の進行が早まってしまうリスクがあります。 インプラント治療は失った歯の機能と審美を補う治療法で、大きなメリットも多く存在します。 しかし、それを長期的かつ健康的に保つことが重要であります。そのためにはインプラントを埋入する前の段階で、口腔内から歯周病菌を可能な限り減らしておくことが大切です。

    2022.02.14

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    インプラントをしているとM R Iができないって本当?

    「インプラントをしているとMRIができない」と言うことを聞いたことがありませんか? 実際ほとんどのケースではMRIを受けることは可能です。 一体なぜこのような話が広まったのでしょうか。   MRIとかCTってどう違うの? 今まで大きな病気をしたことがない方は、MRIとCTの違いがわからないという方もおられると思います。まず、MRIとCTの検査装置の違いについてご案内しますね。 MRIの正式名称は、Magnetic Resonance Imagingです。日本語で言えば、磁気共鳴画像です。CTの正式名称は、computed tomographyです。日本語で言えば、コンピューター断層撮影です。 医療情報として、CTは放射線により画像を断層的に撮影するのに対し、MRIは強大な磁場を発生させ、電波により撮影します。CTのように放射線被ばくはないというメリットがMRIにはありますが、MRIは磁場が強大なため騒音がします。 インプラント治療後でもほとんどの場合はMRI検査が可能な理由 インプラント治療後でも、ほとんどの場合はMRI検査が可能な理由は「インプラントがチタン製」であることが関係しています。 MRI検査で画像の歪みなどにより診断の妨げになったり金属が発熱したりするのは、体内金属の中でも磁力を発生させるものです。 歯科用インプラントは、チタン合金でできているため、磁力がなくこういった問題が起きないのです。 またインプラントをしていない方でも、お口の中には金属(銀歯、金歯、メタルボンド)のつめ物や被せ物が入っている方は多いと思います。 しかし、こちらも磁力がないのでMRI検査への影響はあまりないと言われています。 インプラント治療後のMRI検査に注意が必要なケース 磁石を併用している場合 インプラントオーバーデンチャーをしてる方は、MRI検査を受ける際に注意が必要です。 なぜなら、インプラントオーバーデンチャーの中には、あごの骨に埋め込んだ2~4本のインプラントに磁石をつけて入れ歯の取り外しを可能にする治療法があるからです。 先程もお伝えしたように、MRI検査は体内に磁力が発生する金属がある場合には、検査ができなくなることがあります。 インプラント治療後にCT検査を行っても安全性に問題はない? MRIと同様にCT検査を行っても、歯科インプラントの場合は安全性について問題ないとされています。

    2022.02.03

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    インプラント治療の疑問 仕事はすぐにできる?できない?

    インプラントは土台として人工歯根を埋め込むための外科手術をおこなう必要があります。 また、1度の治療では終わらず、治療完了までに数工程か必要なため、お仕事に支障が出ないか不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 インプラント埋入手術後は仕事を休んだほうがいい? インプラントは外科的な手術となります。虫歯の治療などとは違い、治療が終わってすぐ日常活動ができるわけではありません。手術当日はもちろん、できれば次の日も安静にお休みできるのであればしていただいたほうが、早期回復のためにはおすすめです。 インプラント埋入手術は時間がかかる処置です インプラントの土台を埋入する手術は外科的な手術です。インプラントを埋入する部分の歯茎を切開し、その下の顎の骨を削り、金属の人工歯根(インプラント体)を埋入します。 手術にかかる時間は約1~2時間と長い時間がかかります。埋め込む本数が多ければさらに時間がかかり、患者さまは長時間仰向けで口を開けたままの体勢をとることになり、身体的・精神的負担も他の治療よりもかかります。また、麻酔下で施術していますので、麻酔が切れるまでは車の運転なども控えていただきたい事項です。そこで、当日は術後のお仕事は休んでいただきたいと思います。 インプラント埋入手術後は腫れや痛みを伴うことがあります インプラント治療は外科的手術ということで、術後はどうしても若干の出血が起こったり、傷口が回復するための腫れや痛みが起こりがちです。これらは回復と共に徐々に終息します。 程度としては個人差がありますが、大抵2、3日で落ち着き始め、1週間程度で回復 します。術後麻酔が切れて痛い場合には、痛み止めを飲んで対処していただく程度の痛みです。また出血や腫れに関しても、生活に支障をきたすような度合ではありません。ただし、術後すぐに激しい運動をしたり、熱いお風呂に入ったりすると症状が落ち着かなくなることもありますので、早く傷を治すためにも術後はできるだけ安静にされたほうが治りを早めてくれます。 インプラント埋入手術は麻酔が必要です インプラントの土台埋入手術は、歯茎を切開して顎の骨に埋入するための穴を開けるために専用の機械を用いて切削作業をおこないます。麻酔も虫歯の治療などで使用する麻酔よりも長時間効く麻酔を施します。全身麻酔をおこなう場合もありますので、切れてくるまでに時間がかかり、術後しばらくは安静にしていただく必要があります。 車の運転が必要であったり、体力の必要なお仕事は術後すぐ戻ることは難しいと思われますので、前もってお休みを取っておかれることをおすすめします。 どんな仕事だったら術後でも可能? 一概に「術後でもできる仕事」という線引きはありません。インプラントは患者様ごとに 場所や本数、口腔内の環境も違います。これらによって手術にかかる時間や治療期間も違います。そのため、術後すぐや次の日から仕事ができるかどうかは、仕事の内容や患者様の回復状態によって違います。 当日はできるだけお休みいただき、翌日は激しい動きや口を使う作業があるお仕事でなければ大丈夫だと思われます。また、簡単なデスクワークや自宅でのテレワーク程度でしたら、体調に問題が無ければおこなっていた

    2022.01.17

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    インプラント手術の時間

    インプラント治療は、インプラントをあごの骨に埋め入れる外科手術を行います。「手術」というと少し怖い印象がありますが、実際、どのくらいの時間がかかるものなのでしょうか?ここでは、インプラントの手術法ごとに目安となる時間をご紹介いたします。 ※患者様のお口やお身体の状態、歯科医師によって異なりますので、ご参考程度にお考えください。 インプラントの手術方法と時間 通常のインプラントの手術方法には、「一回法」と「二回法」とがあります。まずは、それぞれの手術方法と手術にかかる時間についてご紹介します。 一回法と手術時間 一回法は、歯茎を切開する手術を、一回のみ行う治療法です。インプラントを埋め入れる際に、インプラント体のヘッド部分を歯茎の外に出すことで、もう一度歯茎を切ることなく人工の歯の装着を行います。インプラントを埋め入れてすぐに人工の歯を装着する場合などは、この方法で治療します。 インプラントを埋め入れる手術時間 ・1本 10~25分 ・2~3本  20~35分 ・4~6本  40~75分 ・7~10本 80~110分 二回法と手術時間 二回法は、歯茎を切開する手術を二回行う方法です。一回目の手術でインプラントをあごの骨に埋め入れ、一度歯茎を閉じてインプラントと骨が結合するまで3~6ヶ月待った後、二回目の手術で歯茎を切開し、人工の歯の土台をインプラント体に取り付ける方法です。骨を増やす治療を同時を行う場合などは、感染率の低いこの方法で治療します。 インプラントを埋め入れる一回目の手術時間 ・1本 10~25分 ・2~3本  20~35分 ・4~6本  40~75分 ・7~10本 80~110分 インプラント体に土台を取り付ける二回目の手術時間 ・1本   5~10分 ・2~3本 15~20分 ・4~6本 25~35分 ・7~10本 35~60分 オールオン4と手術時間 一回法や二回法などの通常の手術以外に、オールオン4という手術法もあります。「オールオン4」は、歯が1本も無い、または上あごか下あごの一方の歯が全て無い方に対する治療法です。4本という少数のインプラントを、角度を付けてバランスよく埋め入れることで、手術したその日に10~12本分の人工の歯(仮歯)を固定することができる治療法です。この治療法の場合は、約1時間以内で手術は完了します。 インプラントを埋め入れる手術時間 埋め入れる本数 4本 : 手術時間の目安 40~60分 骨を増やす治療と手術時間 インプラントはあごの骨に埋め入れて治療するため、治療を行うためには、ある程度の骨の厚みや高さが必要です。そのため、インプラント治療を行いたい部分に十分な骨がない場合には、骨を増やすための手術を行うことがあります。骨を増やす手術を大きく分けると、「インプラントを埋める手術と同時に行う場合」と、「インプラント埋める手術の前に、骨を増やす場合」の2パターンがあります。 インプラントを埋める手術と同時に行う場合 ・ ソケットリフト(上あごの骨を増やす手術) 5~10分 ・ GBR(骨の厚みを増やす手術)(1箇所)10~20分 (*担当医の経験や埋入場所などで異なります) インプラント埋める手術の前に、骨を増やす場合 ・ GBR(骨の厚みを増やす手術)(1箇所) 30~40分

    2022.01.11

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    インプラントの歴史

    古代ローマ時代のインプラント 失った歯を人工材料で補うデンタルインプラントの起源は古く、紀元2世紀から3世紀の古代ローマ時代まで遡ります。 その後、さまざまな材質を用いての治療が試みられてきましたが、インプラントを埋入しても、長持ちすることはなく、広く普及するものとはなりませんでした。 インプラント治療最大のブレークスルー(チタン性インプラントの登場) 1952年、スウェーデンのルンド大学で研究を行っていたペル・イングヴァール・ブローネマルク教授によってチタンが骨と結合することが発見され、チタンがインプラントに応用されるようになります。 この骨と結合するというチタンの特性こそが、デンタルインプラント治療に生体親和性と長期的な機能といった恩恵を与え、現在のインプラント治療の礎となりました。 その安全性、耐久性を確証するため幾度もの動物実験を経て、1962年本格的に人間へのインプラント治療が行われるようになりました。 しかし、ブローネマルク教授が歯科医師ではなかったことに批判的な立場の歯科医師も多く、普及には至りませんでした。 歯科インプラントの臨床現場での普及 1978年に初のデンタルインプラントのコンセンサス会議が、ハーバード大学とアメリカ国立衛生研究所の共催で開催され、デンタルインプラントのデータ収集と分析、および評価基準が確立されました。 大きなターニングポイントとなった1982年のトロント会議において、予後15年の症例が報告され、その安全性、耐久性が広く認知されることにより、北米を中心に爆発的な普及が始まりました。 インプラントの臨床応用の発展 1980年代から現在まで 【初期~中期】 一般臨床において、インプラント治療が安全かつ確実に行われるための研究開発がすすみ、多くの患者さまに提供され始めた時代です。 いかにインプラントと骨との結合を確立し、喪失した歯を補い咀嚼機能を回復するかということを模索しながら、その成果をもとにインプラント治療の適用範囲も下顎の総入れ歯への応用から始まり、一本の歯の喪失、複数の歯の喪失への応用へと進歩していきました。 中期以降になると治療時間の短縮やインプラント治療のための骨造成術といった事柄についても注目が集まり研究が始まりました。 【過渡期】 2000年代半ばからインプラント治療のゴール(目的)の概念が大きく変わってきます。 前述の通り、インプラントが咀嚼機能の回復と耐久性の保持がインプラント治療のゴールであったのに対し、現在はそれに加え、審美性についても追及する流れになっています。 審美性の追求とは機能だけではなく、天然歯と変わらない見た目を得ることです。 残念ながら、この機能性と審美性を併せ持つ結果を得ることは、未だに難易度が高く、治療の技術が必要になります。 【現在】 歯科用インプラントの治療が確立し広く普及され、多くの患者さまへその恩恵を提供できる時代になりました。 しかし、その一方で安易にインプラント手術を行う歯科医師が増え、多くの失敗や合併症が報告されるようになってきました。

    2022.01.04

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当院では歯を失ってしまった人に対して複数の選択肢から治療法を提案しております。1本くらいだから大丈夫と自己判断せずにまずはお気軽にお問合せください。

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