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インプラント治療後の歯磨き粉を選ぶ際の3つのポイント
インプラント治療後の歯磨き粉を選ぶポイントは、 ①研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉は避ける ②フッ素入りの歯磨き粉は使用してもOK ③迷ったら、担当医または歯科衛生士に確認 の3つです。 研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉は避ける インプラント治療後は、研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉は避けた方がいいと言われています。 舌で触れたときにザラザラするくらいの大きな粒子は、歯ぐきとインプラントの間に入り込み炎症を起こしてしまう可能性があるからです。 またインプラント以外の歯にも、荒い粒子の研磨剤が入った歯磨き粉は、歯の表面が削れしまいかえって汚れが付きやすくなる、歯周病で露出してしまった歯の部分にダメージを与えてしまうといったデメリットがあります。 フッ素入りの歯磨き粉は使用してもOK インプラント治療後でも、「フッ素入りの歯磨き粉は使用してもOK」です。 チタンがフッ素に弱いといわれますが、歯磨き粉に含まれるフッ素濃度(1000~1500ppm程度)でインプラントが腐食することはないためです。 とは言っても高濃度のフッ素では、インプラントが腐食することはあります。 しかし、日本で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度は上限が1,500ppmと決められているため、腐食の心配がないと言えるのです。 むしろフッ素自体は、 ・歯質の強化 ・初期虫歯を修復する ・虫歯菌の動きを抑制する など虫歯予防に優れた効果を発揮します。 迷ったら、担当医または歯科衛生士に確認 インプラント治療後に自分に合った歯磨き粉を選ぶ際に1番簡単な方法は、歯科衛生士にどんな歯磨き粉がいいか聞くことです。 お口の状態に合わせて、 ・虫歯リスクが高い人には、フッ素配合の歯磨き粉 ・歯周病リスクが高い人には、抗炎症成分や殺菌成分が配合された歯磨き粉 などをおすすめしてくれます。 歯科衛生士や担当医は、あなたのお口を守るスペシャリストです。 ぜひ味方につけて、インプラントを含むお口全体の健康を維持していきましょう!
2022.02.25
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インプラントをする前に歯周病治療がなぜ必要?
歯周病とは 歯周病は歯と歯の周りの組織への細菌感染が原因となる炎症病変です。まずは歯肉から感染が始まり(歯肉炎)、それがさらに進行すると歯周組織に炎症が進行します(歯周炎)。徐々に歯を支える顎の骨が溶けていき、歯の支えがなくなるため最終的には歯が抜けてしまう病気です。自覚症状がでにくく、気が付いた時には進行していることが多いため、定期的な検査を受ける必要がある病気なのです。 歯周病は歯周病原細菌の感染により発症するため、多くの歯で進行する恐れがあり、進行によって破壊された顎の骨は治療によっても治りにくい特徴があります。そのため、歯周病の進行を早期に止めることが大切になります。 精密な検査を行い、歯周病が認められる場合には治療が必要になります。治療は主に原因となるプラークや歯石の徹底的な除去、また再度プラークや歯石をつけないように丁寧なセルフケアを行うことが中心となります。治療を行った後、再度精密な検査を行い、歯周組織の病状をチェックし、安定した歯周組織を継続していく必要があります。 歯周病の状態でインプラント治療を行うリスク 感染 インプラントの周囲の歯の周囲に歯周病原細菌が存在していると、2週間以内でインプラント周囲の溝に細菌感染が起きてしまうといわれています。また、インプラント周囲に炎症が生じた症例のインプラント周囲を調査した研究では、歯周病原細菌と同様にグラム陰性菌やスピロヘータが多く存在することも報告されています。 インプラントは自分の歯より細菌感染による炎症の進行が速いことも知られています。インプラントは虫歯にはなることはありませんが、細菌感染による炎症で顎の骨が溶けることでインプラントが抜けてしまうことが考えられます。 インプラントの隣在歯 歯周病が進行した状態では、インプラント治療後に、隣の歯が歯周病で抜けてしまうリスクもあります。 残存歯の動揺や病的移動によりインプラントに対する負担が増加する 歯周病が進行した状態でインプラント治療を行うと、インプラントと隣接する歯がぐらついたり、病的に移動してしまうリスクもあります。そうなるとインプラントと歯の間が広まり、食べ物が詰まりやすくなる、かみ合わせが変化する、インプラント周囲への感染が起こりやすくなる、咬合力の負担が増大するなどといった可能性が高まってしまいます。炎症が起こってしまった上に力学的負担が増大すると、よりインプラント周囲の炎症が進行しやすくなることが考えられるため、インプラント治療の失敗につながる可能性が高まります。 対合歯の抜歯 インプラント治療によって強く咬むことが可能になります。しかし、対となる歯の歯周病が進行していると、その歯の負担が増大するため、歯周病の進行が早まってしまうリスクがあります。 インプラント治療は失った歯の機能と審美を補う治療法で、大きなメリットも多く存在します。 しかし、それを長期的かつ健康的に保つことが重要であります。そのためにはインプラントを埋入する前の段階で、口腔内から歯周病菌を可能な限り減らしておくことが大切です。
2022.02.14
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インプラントをしているとM R Iができないって本当?
「インプラントをしているとMRIができない」と言うことを聞いたことがありませんか? 実際ほとんどのケースではMRIを受けることは可能です。 一体なぜこのような話が広まったのでしょうか。 MRIとかCTってどう違うの? 今まで大きな病気をしたことがない方は、MRIとCTの違いがわからないという方もおられると思います。まず、MRIとCTの検査装置の違いについてご案内しますね。 MRIの正式名称は、Magnetic Resonance Imagingです。日本語で言えば、磁気共鳴画像です。CTの正式名称は、computed tomographyです。日本語で言えば、コンピューター断層撮影です。 医療情報として、CTは放射線により画像を断層的に撮影するのに対し、MRIは強大な磁場を発生させ、電波により撮影します。CTのように放射線被ばくはないというメリットがMRIにはありますが、MRIは磁場が強大なため騒音がします。 インプラント治療後でもほとんどの場合はMRI検査が可能な理由 インプラント治療後でも、ほとんどの場合はMRI検査が可能な理由は「インプラントがチタン製」であることが関係しています。 MRI検査で画像の歪みなどにより診断の妨げになったり金属が発熱したりするのは、体内金属の中でも磁力を発生させるものです。 歯科用インプラントは、チタン合金でできているため、磁力がなくこういった問題が起きないのです。 またインプラントをしていない方でも、お口の中には金属(銀歯、金歯、メタルボンド)のつめ物や被せ物が入っている方は多いと思います。 しかし、こちらも磁力がないのでMRI検査への影響はあまりないと言われています。 インプラント治療後のMRI検査に注意が必要なケース 磁石を併用している場合 インプラントオーバーデンチャーをしてる方は、MRI検査を受ける際に注意が必要です。 なぜなら、インプラントオーバーデンチャーの中には、あごの骨に埋め込んだ2~4本のインプラントに磁石をつけて入れ歯の取り外しを可能にする治療法があるからです。 先程もお伝えしたように、MRI検査は体内に磁力が発生する金属がある場合には、検査ができなくなることがあります。 インプラント治療後にCT検査を行っても安全性に問題はない? MRIと同様にCT検査を行っても、歯科インプラントの場合は安全性について問題ないとされています。
2022.02.03