Year: 2023

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    インプラントと金属アレルギー

    金属アレルギーでもインプラント治療は受けられる? 金属アレルギーでもインプラント治療は受けられます。ただし全くアレルギー症状が出る可能性がないわけではありません。 多くのインプラントでは、インプラント体にチタンを用いています。チタンは医療用として用いられることも多く、金属アレルギーを引き起こしにくい金属です。 しかし純チタンやチタン合金で金属アレルギーの反応が起きた事例も報告されています。 そのため安全性は高いものの、金属アレルギーの症状が起こる場合もあるのを知っておいてください。 金属アレルギーの方がインプラント治療を進める際の注意点 金属アレルギーの診断を受けている方、金属に触れて何らかの反応が出る方は、治療を受ける際に次の2点に注意してください。2つのポイントを意識して治療に臨めば、さらに治療の安全性が高まります。 注意点1:金属アレルギーであると医師に申告する まずは金属アレルギーであると、歯科医院の医師への申告が大切です。 申告をすればチタンへの金属アレルギー反応があるか、パッチテストなどで調べてもらえるでしょう。 インプラント治療前にはほとんどの場合でカウンセリングがあるので、医師に申告しておけば安全なはずです。 注意点2:金属アレルギーがおきない素材を使う 金属アレルギーの心配がない上部構造を選ぶことも注意点のひとつです。 上部構造の中には、金属アレルギーの不安がある素材が使われているものもあります。 しかしセラミックやジルコニアは陶器なので、金属アレルギーの方でも安心して装着可能です。 できる限りリスクの少ない素材を選ぶようにしてください。 インプラント治療による金属アレルギーの症状 インプラント治療で金属アレルギーが起きた場合、次のような症状が現れます。もしアレルギー反応があったときのために、症状について把握しておきましょう。 症状1:口腔扁平苔癬でしみる・痛む 口腔扁平苔癬によって口の中がしみたり、痛みを感じたりする症状です。口を動かすと違和感があることもあります。 口腔扁平苔癬とは口内に炎症が起きたり、白い発疹が現れたりするのが特徴です。 場合によっては全身に発疹が広がることもあります。 症状2:掌蹠膿疱症でかゆみを感じる 掌蹠膿疱症では、膿疱が現れた部分や鎖骨、胸などにかゆみが感じられます。 インプラントが原因であっても、手のひらと足の裏に現れやすく、季節や体調により症状の強さが変わる特徴があります。 最初は水ぶくれのようなものができますが、少しずつ膿疱へと変化します。 手のひらや足の裏、鎖骨、胸などにかゆみが現れたら、掌蹠膿疱症かもしれません。 インプラント治療前に金属アレルギーか確認する方法 インプラントの治療前に金属アレルギーであるか確認するには、パッチテストもしくは血液検査を受けてください。 パッチテストでは薬液を皮膚に塗り、数日間放置して反応を見ることで金属アレルギーの判断ができます。血液検査はリンパ球刺激試験と呼ばれており、採血した血液中の白血球に金属イオンを加えて反応を確認する方法です。 いずれも皮膚科でもできる検査なので、インプラント治療前に受けておくと安心できるでしょう。

    2023.08.29

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    インプラントの素材

    チタンがインプラント治療に使われる理由 チタンは金属の一種ですが、人体に異物として認識されにくくなじみやすい、「生体親和性」の高い素材です。 一般的な金属と異なり、チタンは空気に触れるとすぐに酸化皮膜を形成するため、金属イオンが溶け出すことはほぼありません。そのため、金属アレルギーを引き起こしにくいという特徴があります。また、骨と強く結合するという珍しい特性も持ち合わせています。 軽くて強度が高く、かつ錆びにくいという点でも、チタンはインプラント治療に適した素材と言えるでしょう。 オッセオインテグレーションとは 「骨と強く結合する」というチタンの特性は、ラテン語で「骨」を表す「オス」と、英語で「結合」を意味する「インテグレーション」を合わせ、「オッセオインテグレーション」と呼ばれます。 チタンが骨の中に埋め込まれると、その周りに新しい骨の組織が取りついていきます。やがてチタン表面の細かい部分にまで入り込み、まるで体に取り込まれたような状態になります。この作用によって、自分の歯に近い感覚でインプラントを使うことができるのです。 オッセオインテグレーションをより強固にするため、多くのインプラントには、ネジのような溝や凸凹が設けられています。骨としっかりと結合するには、3か月~半年ほどの期間が必要です。 チタン以外のインプラントの材料 ご紹介してきたように、チタンは金属アレルギーを引き起こしにくい素材ではありますが、ごくまれにアレルギー反応を呈する方もいらっしゃいます。金属アレルギーが心配な方は、チタン以外の非金属素材を用いることも検討してみましょう。ただし、土台となるインプラント体・アバットメント・上部構造(人工歯)ごとに、使える素材は限られます。 ①ジルコニア ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも言われる非常に硬い素材です。強度に優れているため、強い力がかかりやすい奥歯のインプラントに向いています。 白色で審美性が高く、主に人工歯やアバットメントに用いられます。ジルコニア製のインプラント体も存在しますが、日本ではまだ承認されていません。 ②オールセラミック オールセラミックは、金属やプラスチックを使わずに作成されています。ジルコニアに比べて透明度が高く、天然の歯に近い見た目です。特に審美性を重視する、前歯の人工歯に向いています。 ③ハイブリッドセラミック ハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチックレジンを混ぜた素材で、人工歯として用います。 低コストではありますが、耐久性・審美性という点では、他の素材に比べて劣る部分があります。 インプラント治療は金属アレルギーでも受けられる 金属アレルギーをお持ちの方は、チタンでできているインプラント治療を受けられるかどうか心配ですよね。 チタンは、金属のなかでも生体親和性と呼ばれる、人体に異物として認識されにくい性質を持つ金属です。 そのため、チタンはアレルギー反応が起きにくく、金属アレルギーの方でも基本的には問題なくインプラント治療を受けられます。 純度の高いチタンでインプラント治療をしよう チタンは基本的にアレルギー反応が起きにくい金属ですが、インプラントにチタン以外の金属や不純物が混ざっていると、アレルギー反応が起きる可能性があります。 そのため、金属アレルギーが不安な方は、チタンの純度が高いインプラントを購入することをおすすめします。 メーカーや歯科医院で、取り扱っているインプラントにはさまざまな種類があるため、歯科医師と相談してインプラントを選びましょう。 チタン以外のインプラントの材料 金属アレルギーが心配な方には、非金属素材のインプラントもおすすめです。 以下に、非金属素材のインプラントの種類をまとめました。 非金属素材のインプラント ジルコニア オールセラミック ハイブリッドセラミック ジルコニアはセラミックの1種ですが、本物の歯のような美しさがあり審美性が高い素材です。 また、噛み合わせる歯に対して負担が少ないことも特徴だといえます。 オールセラミックは、セラミックのみでできたインプラントです。 摩耗しにくいことが特徴ですが、強い力で噛むと割れる可能性があるため、注意しましょう。 ハイブリッドセラミックは、プラスチックとセラミックが混ざった素材です。 摩耗しにくく低コストですが、経年劣化で変色してしまう点がデメリットです。

    2023.08.16

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    インプラントが向いている人。向いていない人。

    インプラント治療を考えているが、本当に治療ができるのだろうか、と悩む方もいらっしゃることでしょう。インプラントは自費治療のため、敷居が高く、治療できる症例も限られているのではと思われがちですが、実は幅広い症例に適応する治療法なのです。今回はインプラントに最適な人についてお話をいたします。 インプラントは、失った歯の部分にチタン製のインプラント体を埋め込み、セラミッククラウンなどの人工歯を装着して噛む機能を回復させます。入れ歯やブリッジと違い、違和感がほとんどなく天然歯にとても近い噛み心地を再現できる優れた治療法です。 また入れ歯やブリッジと違い、他の歯に影響を与えず治療できるため、他の残存歯の健康維持にとっても非常にメリットがあると言えます。このように、インプラントは機能性、審美性、そして残存歯の健康維持と三拍子揃った治療法であると言えます。 治療が適している方とは ・歯が抜けてしまった方 歯は一本でも失ってしまうと、以前と同じような感覚で物が噛み辛くなります。そのままにしておくと顎の骨がどんどん吸収されてしまいます。また奥歯の場合、噛み合わせの歯がないままにしておくと、歯が伸びてしまって噛み合わせに大きな問題が出てきます。 インプラントは自然な噛み心地のため、自分の歯で噛んでいるような感覚を取り戻すことができます。 ・入れ歯が合わないと感じる方 入れ歯は作製当初は合っていても、歯がない部分の顎の骨が吸収されていくため、どうしても合わなくなってきます。そのため何度も調整が必要となり、再作製が必要になってしまいます。 インプラントは着脱式の入れ歯と異なり、人工歯根に人工歯を装着するため入れ歯のように合わないことはありません。また骨の吸収も抑えられるため、いつまでも快適に使うことができます。 ・入れ歯の手入れが面倒と感じる方 入れ歯は食後に入れ歯を外して水洗いを行いますが、毎食後に行わなければ入れ歯と歯ぐきの間に汚れが溜まり、臭いの原因となってしまいます。そのため入れ歯の手入れが面倒くさいと感じる方もいらっしゃることでしょう。 インプラントは固定式のため、取り外して洗うという手間がありません。入れ歯のお手入れが面倒な方に、とても適した治療です。 ・職業柄、歯の見た目が重視される方 入れ歯はバネをかける金具が目立ち、保険適用の差し歯の場合、白いレジンが経年とともに劣化して黄ばんできます。また歯ぐきが下がってくると隙間に食べ物が詰まったり、内側の金属が見えて審美面を大きく損ねてしまいます。インプラントは美しい見た目が特徴のひとつです。接客業など歯の見た目が重視される方にぴったりと言えます。 ・ブリッジをするための歯がない、または土台として不十分な場合 入れ歯のほかに、失った歯の機能回復手段としてブリッジがあります。ブリッジは失った歯の両隣の歯を支えとして、繋がった人工歯をセメントで装着して機能を取り戻します。しかしブリッジをするための歯がない場合、ブリッジの治療はできません。 また両隣の歯があってもブリッジを支えるだけの状態でない場合、ブリッジの治療は難しくなります。 インプラントは、失った歯の部分だけを治療するため、他の歯の状態の影響を受けずに治療することができます。 ・残っている歯を大切にしたいと思う方 歯を失ってはじめてその大切さを痛感する方は、残っているご自身の歯を長持ちさせたいと考えるものです。インプラントは他の歯に影響を与えることなく治療を行うことができるため、ご自身の歯を大切にしたいとお考えの方に最適な治療です。 ・事故やスポーツなどのアクシデントが原因で歯を失ってしまった方 事故やスポーツによる歯の損傷は、特に前歯によく起こってしまいます。前歯は特に目立つ部分であるため、審美面が大変重要となります。また周りの歯の損傷はあまり見られないため、これらの歯を削らないようにするためにもインプラントが最も適していると言えるでしょう。   ・顎の骨が十分にある方 歯を失った場合、歯の根がないため入れ歯やブリッジでは失った歯の部分の顎の骨が吸収されてしまいます。顎の骨が吸収されると、周りの歯を支える骨も少なくなり、歯が少しずつ浮き上がって揺れ動き始めてしまう恐れがあります。 インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋め込んで人工歯根の役目を担います。そのため顎の骨の吸収を抑えることができるため、周りの歯に影響がありません。 インプラント治療が適さない方 ・医師から外科処置を止められている方 持病や血が止まりにくい薬を服用しているなどが理由でかかりつけの医師から外科処置を伴う治療を止められている方は、インプラント治療ができない場合があります。 ・骨粗しょう症の方およびBP製剤を服用している方 骨粗しょう症の方は、顎の骨とインプラントの定着が難しい場合があります。また骨粗しょう症やがんの骨転移などの際に使われるBP製剤(ビスフォスフォネート剤)を服用している場合、顎の骨が腐る顎骨壊死との関係性があると言われています。BP製剤を服用している方でインプラント治療を希望する方は、まずかかりつけの医師に相談してください。 ・口腔内の状態が不衛生な方、プラークコントロールができない方 毎日の歯磨きはインプラントの有無に限らず歯とお口の健康を守るための基本です。しかしお口の中の衛生管理が困難な方や、歯磨きをきちんとできない方には不向きです。 ・ヘビースモーカーの方で禁煙の意思が全くない方 喫煙は、体の健康だけでなく歯の健康にも悪影響を与えてしまいます。喫煙することで歯ぐきの中の毛細血管が収縮し、酸素や赤血球が届きにくくなってしまうことから歯周病が進行しやすくなります。このような状態で治療を行った場合、インプラント周囲炎のリスクが高まります。治療を希望されるなら、禁煙が必要です。しかし禁煙の意思が全くなく、ヘビースモーカーのままではインプラントは難しいでしょう。 ・18歳未満の方 顎の骨が完成する18歳ごろまでは、インプラントによる治療は難しいでしょう。それまでに補綴治療が必要な場合は部分入れ歯などで対応し、顎の骨が完成してから治療を考えるとよいでしょう。

    2023.04.29

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    犬歯の必要性とインプラント

    歯周病や虫歯、破折など、犬歯を抜歯するケースはほかの歯と同じような理由が多いです。 ですが、奥歯など以上に審美性や強度が必要となるため、犬歯の治療はインプラントが最適といえるでしょう。 犬歯とは切歯と臼歯の中間にある歯のこと 犬歯とは、別名「糸切り歯」とも呼ばれる人間の永久歯のことです。 永久歯は部位ごとに名称が異なり、前歯を「切歯(せっし)」、奥歯を「臼歯(きゅうし)」、その中間に位置する槍状の鋭い歯を「犬歯(けんし)」といいます。 犬歯は、上下顎にそれぞれ2本、計4本生えており、前歯から数えて3番目に位置しています。 犬歯は奥歯を守り下顎の位置を決めるなどの役割がある 犬歯には食べ物を切り裂いたり、歯を噛み合わせた時に切歯と臼歯に負荷がかからないようにしたりする(犬歯誘導)役割があります。 このため、縦からの衝撃に耐えられるよう、ほかの永久歯に比べて神経が長く、寿命が長いところが特徴です。 また、犬歯は下顎の位置を決めるためにも重要な役割を担っています。 下顎は、頭蓋骨と靭帯や筋肉のみで繋がっているため、不安定な状態です。 そのため、下顎は犬歯の噛み合わせを目印として、状態の安定を保っていると考えられています。 犬歯を抜歯すべき4つのパターン 厚生労働省が公表する「全国抜歯原因調査結果」(全国2,345の歯科医院で行われた調査)によると、抜歯の原因で最も多いものが「歯周病」で37%、次いで「むし歯」が29%と発表しています。 犬歯は最後まで残存しやすいものの、上記のような状態の際は抜歯が必要になります。 ほかに考えられる原因と合わせて、犬歯を抜歯すべき4つのパターンを解説します。 1. 歯周病 歯周病は、歯と歯茎の間で歯周病菌が増殖することで発症する病気です。 歯周病が進行すると、歯の根本部分の骨が溶ける歯周炎となり、歯がグラグラと揺れ始めます。 犬歯のように神経が長い歯でさえ揺れるほど歯周病が進行している場合には、抜歯すべき目安の1つとなります。 2. 重度の虫歯 虫歯も神経に到達し、さらにその先の骨の中で増殖するほど重症化している場合、抜歯の目安となります。 ここまでくると、神経を抜いて被せものをすることさえ難しい状態といえます。 3. 犬歯が折れたとき 歯が折れることを「歯牙破折(しがはせつ)」といいます。 歯の折れ方には2つのパターンがあり、白い歯の部分が折れる「歯冠破折(しかんはせつ)」と、歯茎の中の根本が折れる「歯根破折(しこんはせつ)」があります。 後者の「歯根破折」の際は抜歯が必要となります。 4. 犬歯が八重歯のとき 八重歯とは、歯がずれて生えている状態のことで、特に犬歯に多く見られます。 八重歯の生える場所が悪く口腔内を傷つけている、歯茎に埋没してしまっているなど、犬歯を抜かないと口腔内の問題を解決できない際は、抜歯が検討されます。 犬歯をインプラント治療する3つのメリット 犬歯は口を開けると目立つ部分にあるため、治療の際は実用性が高いだけでなく、見た目が良いことも大切です。 犬歯をインプラント治療する4つのメリットを解説します。 1. 目立ちにくく審美性に優れる 犬歯は前歯に近い部分にあるため、食事や会話の際にも目につく部分です。 そのため、治療の際は見た目が美しいことも大切です。 部分入れ歯やブリッジでは、フックの金具が目立つ、裏側の金属が見えてしまうことがあり、審美性に劣る点がデメリットです。 その点、インプラントではセラミットの義歯をアバットメント(土台)に被せるため、金属が見えることがありません。 美しく自然な仕上がりとなるため、前歯など口元の歯の治療に適しています。 2. 周囲の歯を削らず治療できる 犬歯をブリッジで治療する場合、前歯や隣の歯を削らなくてはいけません。 歯を削ることは、虫歯や痛みのリスクを伴います。 インプラントなら、犬歯を抜いた後の顎骨にインプラント体を埋め込むだけなので、ほかの健康な歯を残したまま治療ができます。 3. 噛む力が維持できる ブリッジだと、削った周囲の歯に負担がかかるため、咬合力を維持するのが困難です。 特に犬歯は、食べ物をかみ切る、周囲の歯を守るといった役割もあるため、耐久性の高さが求められます。 インプラントなら、顎骨と癒着したインプラント体を利用するため、天然歯と同程度の噛む力を維持できます。

    2023.04.14

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    歯周病とインプラント治療

    不幸にも歯を残すことができなくなってしまった場合、早急に噛む機能を取り戻す治療を行う必要があります。 欠損部分の補綴治療には入れ歯、ブリッジそしてインプラントがあり、特にインプラントは入れ歯やブリッジと比較すると、自然な見た目と機能を持ち合わせている優れた治療法です。 しかし歯周病で歯を失った場合、インプラント治療が難しい場合があり、場合によっては患者様の望む治療ができないことがあります。 では歯周病とインプラント治療には、いったいどのような関連性があるのでしょうか。 歯の失い方の原因によって、インプラント治療の選択肢が変わる? 歯を失う大きな原因は、虫歯と歯周病です。どちらも症状が進行してしまうと、歯を残すことができなくなってしまいます。残念ながら歯を失ってしまったら、速やかに噛むための機能を取り戻す治療を受けなければいけません。 その選択肢として注目されているのが、インプラント治療です。インプラントとは、失った歯の顎の部分に人工歯根を埋め込み、その上にオールセラミックなどの補綴物を被せて噛む機能を取り戻す治療法です。 インプラントは、入れ歯やブリッジと比較すると見た目と機能だけでなく、残存歯の健康を維持しやすいという点において、歯科治療において非常に優れた特長を持っています。 歯を失った原因によっては・・・・ しかし、歯を失った原因によっては、インプラントによる治療が難しい場合があります。 インプラントは顎の骨に人工歯根であるインプラント体を埋め込むことで根の役割を果たしますが、歯周病によって顎の骨が著しく吸収されていると、インプラント体を支えるだけの骨量が不足してしまいます。 虫歯は、歯が溶ける病気のため歯槽骨には影響はありません。 しかし歯周病は歯の病気ではなく、歯を支える歯ぐきや歯槽骨に炎症が起きる病気です。そのため、重度の歯周病で歯槽骨の吸収が著しい方はインプラント治療が難しく、インプラント以外の治療法を選択せざるを得ない場合があります。 つまり、インプラントは顎の骨という土台がしっかりしていないとインプラント体を支えることができないのです。 歯周病だとインプラントができない? 歯周病の方全てがインプラント治療をできないわけではありません。 軽度の方は、事前に歯周病治療を行ってからインプラント治療を行うことができます。また重度の方も、インプラント技術が飛躍的に向上した現在、顎の骨の量を増やす治療を行うことで、インプラント治療が出来る状態へ導いてからインプラント治療へ進むことも可能となりました。 しかし、どんなに技術が向上しても、その原因となる歯周病をしっかりと治療しなければ、簡単にインプラント治療はできません。虫歯は、一本の歯だけが悪くなりますが、歯周病は、お口全体に症状が起こるため、虫歯と比較するとすぐに治療できるものではないのです。 普段からできるだけ定期的に歯科医院へ通い、歯石除去やクリーニングを受け、歯周病の進行を抑えることをまず心がけましょう。 インプラント後も注意が必要 また歯周病の方は、インプラント治療後にも注意が必要です。 インプラント治療後に最も多いトラブルとして、「インプラント周囲炎」があります。インプラント周囲炎とは歯周病に似た症状で、歯周病菌によってインプラント体の周りに起こる炎症です。 インプラント周囲炎になると、歯ぐきの腫れや出血が起こり、悪化すると歯槽骨が吸収されてインプラントを支えることができなくなってしまいます。 このように、歯周病はインプラント治療に大きな影響を与えてしまいます。普段から歯周病にならないため、そして悪化させないためにも歯科医院で定期的なクリーニングを受けるように心がけることが大切です。

    2023.02.10

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当院では歯を失ってしまった人に対して複数の選択肢から治療法を提案しております。1本くらいだから大丈夫と自己判断せずにまずはお気軽にお問合せください。

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