-
インプラント後のセルフケアはどうしたらいいの?
インプラント治療をした後はお口の中を清潔に保つことがインプラントを長持ちさせるカギになるので、毎日のセルフケアがとても大切です。 インプラントは虫歯にはなりませんが、汚れが着いたままになると歯周病に似た『インプラント周囲炎』になり、インプラントにダメージを与えてひどくなるとインプラントがグラグラして抜け落ちることもあります。 自宅でできるセルフケア 毎日のブラッシングが重要 自宅でできるセルフケアで、お口の中を清潔に保つためには細かくブラッシングを行うことが重要です。 インプラント手術直後はインプラント部分を触らずに様子を見る期間がありますが、少しずつ歯ブラシを当てても良い時期に入ると柔らかい歯ブラシで細かくブラッシングをしていきます。 歯ブラシの持ち方のポイント 歯ブラシの持ち方にもポイントがあって、歯ブラシを手でそのまま握ると力が入りやすい傾向になります。 また、ストロークが大きくなりやすいので細かな所に汚れが残ってしまいやすいことがあります。 力加減や細かく動かしやすいように、親指と人差し指と中指の3本で持つと力をコントロールしやすく細かな部分にも歯ブラシを当てやすくなります。 この持ち方は歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間の汚れを落とすのに効果的な持ち方です。 歯ブラシの動かし方のポイントは、歯ぐきの境目に斜め45度位に角度をつけて細かく動かしましょう。 歯磨き粉選びのポイント フッ素入りの歯磨き粉を使用してもOK インプラントの治療後もフッ素が入っている歯磨き粉を使用しても大丈夫です。 インプラントは高濃度のフッ素で腐食をする可能性がありますが、日本で販売されている歯磨き粉は上限が1,500ppmなので腐食の心配がありません。 フッ素には虫歯菌の活動を抑制する働きや歯質を強化する働きがありメリットが多いです。 研磨剤の粒子が粗い歯磨き粉はやめましょう インプラント治療後は研磨剤の粗い歯磨き粉を避けましょう。 研磨剤が粗い歯磨き粉で、粒子が粗く大きいものだとインプラントと歯ぐきの境目に入り込んで、異物として炎症反応が出てしまうことあります。 そのほかには、粒子が粗いことでほかの歯に細かい傷がついてしまいその結果汚れが着きやすくなることや歯ぐきが下がった部分にダメージを与えてしまうこともあります。 歯磨き粉はたくさんあるので歯科医師や歯科衛生士に確認をしましょう 歯磨き粉はその成分によって色々目的があります。歯周病の炎症を抑え、着色が着きにくいものや発泡性の少ないものなど様々です。歯磨き粉選びに迷ったら患者様のお口の状態を把握している歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。 インプラントをする前から患者様のお口の状況を把握しているので最適な歯磨き粉をご紹介します。 タフトブラシや歯間ブラシなどの補助清掃用具も使用しましょう 多くの方が歯ブラシだけではすべての汚れを落とすことが難しいので、補助清掃用具を使用して細かな汚れを落としましょう。 歯と歯の間は汚れが残りやすい部分なので、歯間ブラシやデンタルフロスを使用しましょう。 デンタルフロスは歯と歯の隙間が小さい時に使用して歯間ブラシは少し隙間が大きい場合に使用します。 歯間ブラシは色々な大きさがあり、歯ぐきに合っていないとダメージを与えてしまうことがあります。 歯間ブラシの大きさに迷ったら歯科衛生士に相談して適正な大きさのものを選びましょう。 セルフケアだけなく定期的健診のプロフェッショナルケアも大切 ンプラント治療後はインプラントの状態やお口の清掃状態を確認するために定期的に健診を行う必要があります。 定期健診の頻度はお口の状態によって異なりますが、3~4か月に1度程度です。 この時に普段のセルフケアだけでは落としきれない部分の汚れを機械で除去していきます。 汚れが着いたままになっていると歯石になって患者様自身では落とすことができなくなってしまうので専用の機械でしか取れない汚れも対応できます。 また、汚れが着いている部分がどこか患者様にも確認してもらって自宅でのケア方法も提案します。 歯ブラシの当て方やどのような補助清掃用具を使用したら良いかなどもお話させていただいてセルフケアに役立てていただきます。
2022.03.29
-
タバコを吸っているとインプラントができないってホント?
たばことインプラントの関係について インプラントは歯を失った時の選択肢として、しっかりと噛む事ができて、見た目も自然な事から患者さんの満足度の高い治療です。 インプラント治療をして10年以上使用し続ける事が出来た人が9割以上というデータもあり、適切に使用していれば長く使用する事が出来ます。 ただ、メインテナンスを怠ったり、日頃のケアをしないとお口の中の環境が悪くなり、良い状態で使う事が難しくなってしまいます。 そしてインプラントには悪影響をもたらす要因としてタバコがあげられます。 タバコのインプラントへのリスク リスク① インプラントが骨に定着しない。 タバコの煙にはニコチンが含まれています。 このニコチンが依存してしまう原因にもなっているのですが、ニコチンはお口にも悪影響を与えてしまいます。 ニコチンが血管を収縮させて、血流を悪くしてしまいます。 また、ニコチンの影響で歯ぐきが黒ずんでしまったり、一酸化炭素は骨や組織に十分な酸素を行き渡らせなくしてしまい、インプラントが骨に定着しにくい状態になってしまいます。 リスク② 感染のリスクが高くになってしまう。 白血球は免疫機能に大きな役割を果たしています。 ニコチンによって、その白血球の働きが低下して感染のリスクが高くなります。 インプラントは外科手術なので、無菌の状態で治療していきますが、インプラントを埋入した後も感染しない様にする事が大切です。 免疫機能を低下させてしまうタバコは避けたほうが良いと言えるでしょう。 リスク③ 唾液の分泌量の低下 タバコによって血流が悪くなってしまうと唾液の分泌量も低下してしまいます。 唾液には汚れを流してくれる『自浄作用』があり、唾液が少ない事で、汚れが着きやすい環境になってしまいます。 汚れは細菌の塊なので、歯ぐきに悪影響を与えたり、歯周病になるリスクが高くなってしまいます。 インプラントは虫歯になったりはしませんが、歯ぐきの周りに汚れが着いていると『インプラント周囲炎』になってしまいます。 インプラント周囲炎はひどくなってしまうと、骨が痩せる原因になり、インプラントが支えを失ってしまって、グラグラしたり、脱落してしまう原因になってしまいます。 その様な状態になるのを避ける為に、汚れを除去する事はとても大切ですし、唾液の自浄作用は大切なので、タバコは悪影響を与えてしまうと言えます。 お口に対する影響 頑固な着色汚れ タバコを吸っている方によく見られる特徴として、着色汚れがびっしりと付着している事があります。 そしてその周りには歯石が着いてしまう事が多いです。 これはニコチンやタールが歯や歯石に付着して、更にその表面に汚れが着きやすくなる悪循環を招いてしまいます。 歯石が着きやすい着色汚れは歯磨きではすべて落とす事が出来ないので歯科医院でのクリーニングが必要になります。 歯ぐきの黒ずみ 長年タバコを吸っている人は、歯ぐきが黒ずんでしまう事があります。 メラニンが沈着してしまう事やニコチンによる血流が悪くなる事が原因と言われていますが、見た目を気にする人も少なくありません。 メラニンは日焼けした時に肌が黒くなるときに紫外線から肌を守る為に生成されます。 これと同じ様に、ニコチンやタールといった有害物質から歯ぐきを守る為にメラニンが生成されて歯ぐきが黒ずんでしまうのです。 この黒ずみを改善するのは禁煙をしてあげる事が大切です。 時間はかかりますが、肌の日焼けが落ち着いてくる様に、徐々に健康なピンク色になっていきます。 口臭の原因 舌の表面には細かい突起があるのですが、そこに細菌の塊が着きやすくなります。 タバコを吸う事でこの細菌にヤニが付着してにおいの原因になってしまいます。 また舌には味覚を感じる部分があるので、その働きを鈍らせてしまう原因にもなってしまいます。 禁煙すると食事が美味しく感じるにはこの為です。 タバコの全身に対するリスク 生活習慣病と呼ばれる『脳梗塞』『心臓病』『糖尿病』に様々な悪影響を及ぼします。 まず、血流が悪くなってしまう事から心臓病には負担がかかってきます。 また、脳の血流が滞ってしまう事で脳梗塞も起きやすくなってしまいます。 糖尿病に対しては、タバコを吸う事でインスリンの働きを弱めてしまい、糖尿病になるリスクを増やしてしまいます。
2022.03.19
-
インプラントをする前に確認するべきポイントとは
インプラントをする前に知っておきたい6つのこと インプラントという言葉を聞いたことがあるでしょうか。今は様々な病院でインプラント手術が行われるようになり、有名になってきたと思います。そもそもインプラントとは、歯周病や虫歯、事故などで歯を失ってしまった部分に、人工の根を埋め込み、その上に歯を立てるという治療のことです。 自分の歯と同じように噛むことができるなど、メリットがたくさんあるインプラントですが、実は気を付けなければならないことがたくさんあります。 1.インプラントにはメーカーがある! インプラントとひとくちにいっても、実はバッグのブランドと同じように、インプラントにも様々なメーカーブランドがあるのをご存知でしょうか。どこのメーカーのインプラントを使っているのかによって、値段も手術の方法も違ってきます。 病院によって様々なメーカーのインプラントを使用していますので、まず、どこのメーカーのインプラントを使用しているのか、なぜそのメーカーを選んでいるのかを医師に聞いてみると良いでしょう。その説明に納得できてから手術を行った方が、後悔も少ないかと思います。 2.インプラントは歯周病になる! インプラントは人工の歯だから万能だと思っていませんか?実は、インプラントも自分の歯と同じで、メンテナンスや歯磨きを怠ると歯周病になります。しかも、自分の歯ではない分痛みを感じにくく、気づいた時には手遅れになっていたということも少なくありません。 インプラントをする合は、今まで以上に自分の口の中に関心をもつ必要があるのです。 3.インプラントは、手術当日に歯が入らないこともある!? 手術の方法によりますが、「インプラントは手術当日に絶対に歯が入る!」というわけではありません。インプラントには、大きく分けて、手術当日に歯が入るものと、手術のあと何か月か待ってから歯が入るものとの2種類があります。 それぞれにメリットとデメリットがあり、患者さんのあごの骨の質や、その医師の考え方によって手術方法を選択します。手術をしたからすぐに歯が入ると思い込まないようにしましょう。 4.インプラントの手術の前にCTを撮影する場合もある インプラントの手術の前には、あごの骨のCTを撮影して、神経とインプラントの位置や、あごの骨の質などを評価して、安全にインプラントを打つことができるかどうかを分析してから手術を行う場合もあります、CTの料金はかかりますが、安全に手術を行うことができ、失敗する可能性も限りなく少なくなりますので、CT撮影をすすめられた場合は受けた方が良いです。 5.煙草を吸っている人は向いていない! インプラントは先ほどお話ししたように歯周病になります。インプラントの歯周病のことを専門的な言葉で「インプラント周囲炎」と言います。煙草を吸っていると、歯茎の血行を悪くし、また口腔内を乾燥させて細菌が増加することから、インプラント周囲炎のリスクを高める原因となります。 せっかくお金をかけて打ったインプラントを長持ちさせたいのであれば、煙草はやめた方が賢明です。 6.定期的なメンテナンスが必要です これが一番大切なことかもしれません。インプラントは、手術をして終わり、ではないのです。インプラントを長く機能させるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。いくら家でしっかり磨いていても、専門的なクリーニングでなければ除去することのできない汚れがあります。 また、インプラントが緩んでいないか、インプラントの周りの組織が炎症を起こしていないかなどをプロの目で確認し、問題があれば早期発見することでインプラントを守ることができます。インプラントを打つ前に、メンテナンスのプログラムの内容や料金も確認しておくと良いでしょう。
2022.03.06