奥歯の役割とは?

奥歯の役割とは?

奥歯は「臼歯」とも呼ばれ、噛む力が歯の中でも特に強いことが特徴的です。

奥歯には以下のような役割があります。

  • 噛み締める時の負荷に耐える
  • 食べ物をすりつぶす・咀嚼する
  • 噛み合わせの高さを決める
  • 発音する

奥歯を失うと噛み締める力がなくなり、硬いものを食べづらくなったり、咀嚼しにくくなったりします。噛み合わせの高さにも影響するため、抜けた奥歯を放置すると噛み合わせのバランスが崩れる原因にも。

失った奥歯の治療法には、インプラントの他にも入れ歯やブリッジなどがあります。しかし、入れ歯では奥歯の噛み締める機能を補うのは難しく、ブリッジは他の歯を削る治療なので歯の寿命を短くしてしまいます。

それに対して、インプラントはしっかり噛み締められる上、噛み合わせの高さもカバーすることが可能です。インプラントは奥歯の機能をしっかりと補う治療法です。

奥歯のインプラント治療における注意点

奥歯のインプラントは以下3点を十分理解した上で治療を受けることが大切です。

  • CTでの診断が必要
  • 全身疾患があると治療のリスクがある
  • 寿命があるので治療後もメンテナンスが必要

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

CTでの診断が必要

インプラント治療を行うに当たって、歯科用CTを使用した診断が必要です。

歯科用CTはお口周辺の水平・垂直・斜めの3次元から撮影し、立体的に診断できる検査装置です。インプラント治療では、顎の骨を立体的に見ることによって、治療前にインプラント体を埋め込む位置・向きなどをより細かく判断できます。

また、上の奥歯のインプラント治療を行う際、「上顎洞」と呼ばれる空洞があるため骨の高さが足りなくなる可能性が高いです。CT画像を使用して、インプラントを埋入する角度や深さを検討します。

一方、下顎の骨には下顎管と呼ばれる管があり、その中には神経や動脈・静脈が通っています。治療時に下顎管の傷つけないためにも、事前のCT撮影が大切です。

全身疾患があると治療のリスクがある

糖尿病や心疾患、骨粗しょう症をはじめとした全身疾患があると、インプラントの治療を行えない可能性があります。

インプラント治療はインプラント体を骨と結合させる治療です。手術中に合併症や偶発症を引き起こす可能性があるため、全身疾患はインプラント治療において治療リスクを伴います。

また、喫煙は骨の結合を妨げるため、インプラント治療が正しく行えないことが考えられます。

全身疾患がある方や喫煙の習慣がある方は、治療前に必ず歯科医師にご相談ください。

寿命があるので治療後もメンテナンスが必要

インプラントには寿命があるので治療後も定期的なメンテナンスが必要です。

定期的なメンテナンスを怠れば、インプラントの寿命が短くなり、再度手術が必要になることがあります。特に、インプラント周囲炎を発症して処置が遅れると、インプラントの脱落が起こりやすいです。

定期メンテナンスでは、ブラッシング指導やクリーニングを行って、インプラントやお口の中を清潔に保ちます。

また、定期的なメンテナンスだけでなく自宅でのセルフケアをしっかり行うことが大切です。

奥歯のインプラントのメリット

奥歯のインプラントのメリット

奥歯のインプラントのメリットは大きく次の3つ。

  • しっかり噛める
  • 入れ歯のような違和感や痛みがない
  • 噛み合わせのバランスが整う

それぞれの詳細について解説していきます。

しっかり噛める

インプラントは咀嚼力が天然歯に近い治療法です。

インプラントの素材となる「チタン」は、骨に埋め込むことで周囲の組織と結合する性質があります。そのため、時間が経つにつれて骨にくっついて、しっかりとかめるようになります。

入れ歯はインプラントほどしっかり噛めないので、硬いものも食べにくいです。しかし、奥歯をインプラントにすれば硬いものもあまり気にすることなく食べられるようになります。

入れ歯のような違和感や痛みがない

奥歯は前歯とは違って食事の際などに大きな力がかかるため、入れ歯が合っていないと、入れ歯が歯茎にあたって痛みを感じやすいです。

また、装着感があるので、特に入れ歯をつけはじめた頃はお口の中に違和感を覚えやすいです。

一方、インプラントは天然歯と同じように噛めるので、噛み締める際に痛みを感じることはほとんどありません。装着感もないので、自分の歯のように違和感なく過ごすことができます。

噛み合わせのバランスが整う

奥歯がなくなると、歯に加わる力が偏って噛み合わせのバランスが悪くなります。

歯の噛み合わせがずれていると、肩こりや頭痛の原因になるだけでなく、顔の輪郭が歪むなど、歯以外の部分にも不調が起こります。

人間の歯は上下の歯がしっかりと噛み合っている状態が理想です。

インプラント治療で噛み合わせを調整することで、お口以外の部分に起こる不調を避けることができます。

また、噛み合わせがしっかりすることで、発音しやすいのもインプラントのメリットです。

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